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舩木さんのガラスの器

自分のお知らせではないのですが、皆さんに是非お知らせしたい展示会があります。

広島の吹きガラス作家、舩木倭帆さんの展示会が6/9より日本橋三越で開催されます。
心臓病を患ったのち1965年の初個展以来30回、75歳になられる今回で体調を考慮し一区切りとなる節目の展示会です。

数年前、都内のギャラリーである作家さんの展示会に足を運んだ際、常設で置いてあったこの舩木さんのタンブラーに目が止まりました。
舩木さんの名前は知っていましたがモノはよく知らず。買えない価格ではなかったので1つ購入しました。なんとなくイイなァくらいの気持ちで・・。
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自分は器を作りもしますが、見るのも好きです。
無理がなければ勉強のためにと買いもします。そしてそれが高価であれ安価であれ、惜しんでしまっておくことはせずに即、日常で使って楽しむ。10年以上掛けて集まった器たちはその時々の自分が選んだ物で色々な思い出があります。
自作も実際どういったものかと思い使います。試作であったり、焼き損じだったり。
当然、必要以上に食器はドンドン増えて小さな棚ははちきれんばかり。仕方なく時折選別します。

この時に現在の自分の好みが現れます。確かに自分で集めた器ですが、20代の頃と比べ年齢と共に好みが変わり、振り返ると「どうしてこれを買ったのだろう・・?」というものもあったり・・。
使いたい、身近に置きたいと身の丈相応の「本心の選択」で、今の自分の心境が反映される作業です。

自作を含め止む無く引っ込められていく器たち・・。しかし、このタンブラーは常にスタメンで落選しません。
普段ビールを飲む時、梅酒を飲む時、ワインを飲む時、ジュース・水を飲む時、ほぼ無意識にずっと使っていました。選抜の数あるカップの中でもこれといって目立つワケでもないのに、棚の手前に鎮座していつも手が伸びてました。

一年位経ったある日、ふとこのタンブラーをこれだけ無意識に使っていたという事に気づいた時、かなり衝撃を受けました。
今の自分の範疇の「使い楽しむ」シチュエーションに非常に合っていたのでしょう。店頭で見た時、手に入れた時よりも比にならないほどの高揚感にやられ、一気に舩木さんへの興味が湧きました。数ある器と長年付き合ったなかでもここまでの感情が湧いたことはありません。

一年位経って初見以上の感動があるのかと気付かされた事自体にも衝撃でしたが、それは今までに自分が欲した器を集め、日々使い触れ続けた上で成り立った「器の経験」をありありと魅せられた気がしました。

以前に旅をした事で様々な器を「スタイル」ではなく「そのもの自体の良さ」で求め、混然と集まっていました。
多くの器を所有する事自体が良いと思いませんが、自分にとっては「さらに使うことの良さ」を知るための必然の流れ・意義ある事となった瞬間かもしれません。この時に自分の目指す方向が改めて見えた気がしました。

この発見からしばらく経って幸いなことに昨年、自分もお取引させて頂いている益子の佳乃やさんで舩木さんの展示会があり、初めてまとまった作品を見ることが出来、たくさんお話をさせて頂きました。
実際の舩木さんのスタンスは自分のイメージと合っていましたが、その考え方は遥かに上回っており、より一層深い感銘を受けました。
長くなるのでこの辺の詳しいことはまたお伝えする機会に・・。

1つだけだったタンブラーなのでこの際に他にも違う大きさのタンブラーや鉢など「今の身の丈に合った」ガラスの器を買わせて頂きました。
舩木さんも自分のお皿を買ってくださり、大変恐縮してます・・。

現在も最初のタンブラー、この時買った器たちはもちろん全員スタメン。どれかひとつは必ず毎日使ってます。
この瞬間・付き合い方が、作り手としても使い手としても最高潮で非常に気分が良い空気です。
自分も舩木さんのガラスの器と共に卓に並び、日常の中でこの空気を作り出せるような器を目指したいと思っています。

そんな舩木さんの久々の展示会。
三越の展示会は毎回行列が出来るとのことですが、自分も栃木から向かい初日に並びたいと考えています。まだ買ってもないのにもう今から使うことが楽しみです。

皆さんにもこの機会に是非足を運ばれることをお薦めします。そこには日常を共に生活する喜びにあふれる器が並ぶはずです。

書籍も出ています。工芸コーナーの大きな書店には大体置いてありますので、是非ご覧になってください。こちら
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by takehiro-ito | 2010-05-31 02:35


伊藤丈浩の展示会のお知らせを致します。


by takehiro-ito

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